リハビリ太郎の役立つ運動・健康ブログ

リハビリテーションに関する最新の知見から運動や健康に関する役立つ情報を発信していきます。

1日1〜2分の運動習慣が死亡率の低下に繋がる!?

【1】健康のために運動はしたいけど、中々取り組めない人に読んでもらいたい記事です。

【2】この記事を読むとちょっとした運動習慣による健康増進効果を知ることが出来ます。

 

皆さんこんにちは。リハビリ太郎です。

このブログでは、運動や健康、美容などの分野の研究報告などを中心に読者の皆様の生活に少しでも役に立つ情報を発信することを目的としています。

 

今回は毎日のちょっとした運動習慣(1〜2分)による健康増進効果に関してブログを書いていこうと思います。

これまでも1週間の内、週末などの数日だけでも運動することによって、健康増進に繋がる可能性があることは記事にしてきました。

よろしければ下記のリンクからその記事も読んで頂けると幸いです。

1週間のうち数日間だけ歩くことが健康に繋がる!? - リハビリ太郎の役立つ運動・健康ブログ

 

しかし、忙しい現代社会の生活では、健康のためになかなか週末などにまとまった運動時間を確保出来ない人も多いのではないでしょうか。

仕事やプライベートで忙しい人には、運動による健康増進効果を享受することは難しいのでしょうか。。

 

そんなことはありません!!

 

近年では、仕事や買い物中での早歩きや階段の昇り降りなどの1〜2分程度の運動を数回行うだけでも死亡率の低下などの健康増進効果が明らかになっています。

たったそれだけの運動でも健康に繋がる可能性があるのはびっくりしますが、しっかりと研究結果として示されています。

今回は、2022年に投稿された論文を紹介して、1日の短時間の運動による健康増進効果について確認していきたいと思います。

論文の紹介

今回紹介する論文は、オーストラリアとイギリス、カナダのグループが2022年に報告した日常生活における短時間の運動と生存率との関係性を調べたものになります。

(Stamatakis E et al, Nat Med, 28(12), 2521-2529, 2022)

下記に論文のリンクを貼っておきます。

Association of wearable device-measured vigorous intermittent lifestyle physical activity with mortality | Nature Medicine

対象者は、40-69歳の成人25241名となっています(平均年齢61.8歳)。

研究参加時に活動量計を用いて、1日の中での短時間の運動(1分または2分)を同定し、その運動の回数や合計時間を算出します。

その後約7年間追跡し、死亡率や心血管やがんの発病率と短時間の運動との関係性を検討しています。

この研究では、追跡期間の中で対象者の内852名の方がお亡くなりになっています。

では、結果を見てみましょう。

 

結果

出典:(Stamatakis E et al, Nat Med, 28(12), 2521-2529, 2022)

上の図は1日の中で1分間の運動の合計時間と死亡率との関係を表したものになります。

縦軸が死亡の危険率であり、数字が小さい程死亡率が低下すると解釈出来ます。

横軸は1日の1分間運動の合計時間になります。

1分間のちょっとした運動でも1日の中で何回か行い、合計時間が多くなるほど何も運動していない人と比べて、死亡率が低下するという結果となっています。

出典:(Stamatakis E et al, Nat Med, 28(12), 2521-2529, 2022)

こちらの図は、1日1分間の運動回数と死亡率との関係を表したものになります。

こちらの結果でも1日の中で1分間運動を多く行っている人ほど死亡率が低下するという内容になっています。

この結果は、対象者の性別や生活背景、1日の中等度強度の運動時間なども考慮して導かれた結果であるため信頼性は高いと評価して妥当であると私は考えています。

筆者らは、1分もしくは2分程度のちょっとした運動を1日最低3.4-4.1分(1分運動であれば1日4回、2分運動であれば1日2回程度)実施することで22%-28%程度死亡リスクを減らせる可能性を述べています。

 

まとめ

今回紹介した論文から、1日のちょっとした運動を数回行うだけでも健康増進効果が十分に見込めることが分かりました。

そのメカニズムとしては、たとえ1分間程度の運動であっても、早歩きなどをすることでフィットネスの改善効果がある可能性が報告されており、体に良い影響をもたらすのではないかと筆者らは述べています。

忙しくて中々まとまった運動が出来ない人も多いと思うので朗報ですね。

まずは、通勤中に少しだけ早歩きで移動してみたり、駅の階段を使ってみたり、買い物に歩いて行ってみたりなど取り入れやすいものから取り組むのが良いのではないでしょうか。

今日もありがとうございました。