健康のために何歩歩けば良いの?
【1】健康のために運動を始めたい、または始めている人に読んでもらいたい記事です。
【2】この記事を読むと健康ために何歩歩けば良いか知ることが出来ます。
皆さんこんにちは。リハビリ太郎です。
このブログでは、運動や健康、美容などの分野の研究報告などを中心に読者の皆様の生活に少しでも役に立つ情報を発信出することを目的としています。
今回は健康のために歩くべき歩数に関して情報発信していきます。
皆さんも、健康のために万歩計やスマホで歩数を測りながら運動している人はいるのではないでしょうか?
毎日歩数を測っていなくても、現代ではスマホが勝手に歩数を測っている場合も多いので、時折歩数を確認する人もいるのではないでしょうか?
良く歩く人は長生きだとテレビでも言われている通り、1日の歩数は死亡率などと関連する重要な指標であると分かってきています。
では1日何歩歩けば良いのでしょうか?
1万歩じゃないの?
と思った方もいるかもしれませんね。
インターネットなどでも1万歩くことが健康には大事だと言われている記事も目にしたりしますが、この1万歩という数値に明確な科学的証拠があるわけではありません。
実は1万歩という数値は日本でのキャンペーンが始まりだとのことです。
では健康になるためには結局何歩歩けば良いのでしょうか?
その疑問を検証した研究が2022年に投稿されたので、今回はその論文の結果を紹介したいと思います。
論文の紹介
今回紹介する研究は、歩数と死亡率との関係をまとめたメタ解析になります。
(Paluch A et al, Lancet Public Health, 7(3), 219-228, 2022)
下記に論文のリンクを貼っておきます。
https://www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2468-2667(21)00302-9/fulltext
15の論文の計47471名が対象となっており、非常に大規模な研究です。
健常成人(18歳以上)を対象としており、1週の歩数から1日の歩数を算出し、その後数年間観察(中央値7.1年)し、その対象者が死亡したかどうかを追跡しています。
筆者らは、1日平均歩数から対象者をグループ1(歩数中央値3553歩/日)、グルー2(歩数中央値5801歩/日)、グループ3(歩数中央値7842歩/日)、グループ4(歩数中央値10901歩/日)に分け、それぞれの死亡率の違いを検証しています。
また、60歳未満と60歳以上の対象者に分け、死亡率と歩数の関係が年齢によってどのように変わるのかも解析しています。
結果
上の図が4つのグループごとに死亡のハザード比をまとめたものになります。
図の黒の縦線がグループ1の死亡率を基準としたもので、黒の四角形が左にあるほど、死亡する可能性が下がると解釈できます。
ご覧の通り、1日の歩数が増加するグループ2、グループ3、グループ4ほど死亡しにくいという結果になりました。
特にグループ4の対象者では、グループ1の対象者よりも死亡リスクが半分程度少なくなるという結果でした。
このモデルは、年齢や体重などはもちろんのこと、生活スタイルなど死亡に関連が予想される要因を調整しています。
つまり、対象者の年齢や体格、生活スタイルなどに関係なく1日の歩数を多くした方が健康になりやすいと言えるのです。
次の上の図は、年齢(60歳未満と60歳以上)でグループに分けた時の歩数と死亡リスクとの関係を表した図になります。
オレンジの線が60歳未満、青の線が60歳以上のグループの結果になります。
縦軸が死亡リスク(下に行くほど死亡リスク下がる)、横軸が1日の歩数になります。
60歳未満のグループでは、死亡リスク低下が頭打になる(健康になりやすい)歩数は1日8000〜10000歩であったのに対して、60歳以上のグループでは健康になりやすい歩数は1日6000〜8000歩程度でした。
これらの結果から、健康のために60歳未満の方は大体1日8000歩程度、60歳以上の方は6000歩程度を目指せば良いのではないでしょうか。
まとめ
今回の研究の結果から、1日の歩数を増やすほど健康につながる可能性が分かりました。
特に、年齢で目指す歩数が違うというのは新しい報告であり、良い目安になるのではないでしょうか。
ただし、あくまで今日紹介した歩数は目安となりますので、徐々に目標の歩数まで増やしていき、運動を継続しましょう。
1日の歩数を1000歩増やすだけでも、健康のためには十分効果があると思います(実際死亡リスクは1000歩増やすだけでも減らせる可能性があります)。
継続は力なりですので、健康のために1日の歩数を少し意識しながら生活すると良いかもしれませんね。
今日もありがとうございました。