リハビリ太郎の役立つ運動・健康ブログ

リハビリテーションに関する最新の知見から運動や健康に関する役立つ情報を発信していきます。

低糖質ダイエットVS低脂質ダイエット

 

【1】ダイエットを考えている、またはダイエットをしている人に読んでほしい記事です。

【2】この記事を読むと効果的なダイエット方法に関する知識を得ることが出来ます。

 

皆さんこんにちは。リハビリ太郎です。

このブログでは、運動や健康、美容などの分野の研究報告などを中心に読者の皆様の生活に少しでも役に立つ情報を発信出することを目的としています。

 

今回もダイエットに関する情報を発信していこうと思います。

 

皆さんもご存知かもしれませんが、代表的なダイエット方法としては、①低糖質ダイエット(炭水化物をあまり取らない)と②低脂質ダイエット(脂肪分をあまり取らない)があります。

昔から2つとも行われているダイエット方法ですが、実際にどちらの方がより効果があるのでしょうか?

少し気になりますよね〜。

今回は、低糖質ダイエットと低脂質ダイエットのどちらが体重減少に効果的かを色々な研究結果をまとめて解析するメタアナリシス(信頼性が高い)を用いて検証した研究を紹介したいと思います。

論文の紹介

今回紹介する研究は、イギリスのグループが低糖質ダイエットVS低脂質ダイエットを検証した無作為化ランダム試験の結果をまとめたメタアナリシスになります。

(Chawla S et al, Nutrients, 12(12), 3774, 2020)

下記が論文のリンクになります。

Nutrients | Free Full-Text | The Effect of Low-Fat and Low-Carbohydrate Diets on Weight Loss and Lipid Levels: A Systematic Review and Meta-Analysis

 

論文の紹介

38の論文の計6499名を対象としています。今回の研究で対象とした低糖質ダイエットの内容としては、1回の食事の内炭水化物が占める割合が40%未満のものとし、低脂質ダイエットは、1回の食事の内脂肪が占める割合が30%未満のものとしています。

 

結果

出典:(Chawla S et al, Nutrients, 12(12), 3774, 2020)

上の図が低糖質ダイエットと低脂質ダイエットの体重減少効果を表した図になります。一番したの黒の四角形が0よりも左にあると低糖質ダイエットの方が低脂質ダイエットと比べても体重減少効果が高いと読み取れます。

結果としては、低糖質ダイエットの方が体重減少効果が高いことが分かりました。

しかしダイエット期間を3-6ヶ月や1年よりも長くすると両者に差はありませんでした。(この点は対象とした論文数が少なかったことが原因であると筆者らは述べています。)

 

また、低糖質ダイエットの方が、低脂質ダイエットと比べて心血管疾患発症と関係がある血中のHDL(善玉)コレステロールの改善や中性脂肪の減少効果も認めたとのことです。

 

まとめ

今回紹介した研究から、ダイエット効果をより出すためには低脂質ダイエットよりも低糖質ダイエットを行う方が有効である可能性が分かりました。

そのメカニズムとしては、様々なことが想定されるようですが、一つには、炭水化物などの血中のインスリン(血糖値を下げるホルモン)が沢山出るような食品では、むしろ満腹感が減ってしまうことが分かっているようです。

ですので、炭水化物をあまり取らないダイエットでは、炭水化物を摂取するような低脂質ダイエットよりも満腹感が得やすいため、結果的に痩せやすかった可能性があります。

 

しかし、一つだけ低糖質ダイエットにも注意点があります。この研究でも述べられていますが、低糖質ダイエットでは、低脂質ダイエットと比べて血中のLDL(悪玉)コレステロール(心血管疾患のリスク)が増加することが分かっています。これは、糖質を少なくするためにどうしても脂質を摂取してしまうので起こる可能性があるため、筆者らは対象者の状態に応じてダイエット方法を選択するべきであるとも述べています。

低糖質ダイエットにも欠点はあるわけですね。

 

ただ、ダイエットを行う初期段階では、体重減少効果やその他の有効性も考えると、まずは低糖質ダイエットから始めるのが良いかもしれませんね。

今日も勉強になりました。

 

読んで頂きありがとうございました。